We Make craft beers.
岩見圭二と申します。
1990年生まれ、岐阜県出身です。
大学卒業後、大手コンビニエンスストアに入社し、2014年、愛媛県松山市に転勤になり数年を過ごしました。
松山に対する愛着が強くなるも、思うこともあり退職しニュージーランドに渡航。
そこでクラフトビールの虜になり、2年間をビールと共に暮らしました。
帰国後、国内のクラフトビール醸造所に入社。2022年、結婚をきっかけに思い入れのあった松山へ移住。
HOJO Brewing & Staysの立ち上げに参画し、現在に至ります。
ここHOJO(北条)でクラフトビールを醸造するにあたっての思い
前職で松山に住んでいた際、ここ北条は自分の担当エリアでした。
当時、営業車を海岸沿いに走らせながら、車窓からよく瀬戸内海を眺めていました。
その美しさは格別で、今でも強く記憶に残っています。
ブルワリーから見える瀬戸内海の様子は、日によっても、時間によっても、
海の色や波の立ち方、潮の香りや風の吹き方など、それは大きく変わります。
その時々で全くちがう表情を見せてくれるのですが、
そこには一貫した美しさを感じます。
ここは海と空にやさしく包まれた、そのちょうど真ん中に、
私たちのブルワリー『HOJO Brewing & Stays』は存在しているんじゃないかなと思うんです。
それはビールで喩えると泡のところだったり?
毎朝、それを確かめるように、朝の澄んだ空気の中、海岸沿いを出勤しています。
えも言われぬ美しい場所で、美味しいビールを味わう時間は格別です。
ひとりでもいいですし、だれかと分かち合ってもいいし。
この良さをだれかに知ってもらえたら、
僕はただただ嬉しいです。
クラフトビールに対する思い
僕はもともとビールは好きではありませんでした。
しかし十年近く前、行きつけのバーで、世の中にはたくさんの種類のビールがあることを知ります。
僕が知っているビールは、苦くて炭酸のきついお酒でしたが、そこのマスターは、
キャラメルのように甘くて香ばしいものや、果物や花のように素敵な香りのものなど、
多種多様なビールを紹介してくれたのです。
そこから、少しずつこの世界に足を踏み入れていきました。
数年前にニュージーランドに住んでいたときには、
現地でのビールのあり方を体験しました。
都市部はもちろん、郊外であっても、醸造所やビアバーがいくつもあり、
地域の憩いの場として機能していたのです。
平日の昼間でも会社の同僚たちと一杯ひっかけに来るスーツの人たちがいれば、
週末には子連れの親が大勢集まっていました。
また、お酒やビールを飲まない人も気兼ねなく立ち寄れる雰囲気があり、
そこはだれに対しても開かれた場所となっていました。
提供されるビールは、いろいろな醸造所が作る、
いろいろな種類のクラフトビールです。
だれもが自分の好みのクラフトビールや醸造所を見つける楽しさがありました。
その時々の気分でどんなクラフトビールを飲もうか選べる楽しさも魅力のひとつです。
文化としてのビールがここには根付いているなとひしひしと感じました。
そんな土地で過ごしている間、日常の喜怒哀楽や季節の移り変わりを感じるときには
いつもビールがそばにあることに気が付きました。
ビールに慰められたし、ビールに励まされました。
ビールで生まれた縁もありました。
ビールに対する思いはさらに深まっていきました。
そして今度は、僕がビールを提供する立場になりました。
これまで自分がクラフトビールから恩恵を授かったように、
少しでも皆さんにクラフトビールを通してなにかを施すことができたらと思います。
明日(未来)に向かって
松山市の衛星都市として認知される北条。
海沿いの小さな田舎町ですが、
ここから真新しいクラフトビールを発信していきたいと思います。
僕らの設備は小規模ですが、だからこそ表現できるものがあります。
トリッキーな一杯で、
飲んでくれる人たちの期待を良い意味で裏切っていけたら楽しいなと、
密かに企んでいます。
「北条のように小さな町にこんなに面白いビールがあるんだ。ちょっと行ってみようかな」
そう思ってもらえたら狙い通りです。
一度訪ねてもらえれば、土地の良さをきっと分かってもらえると自負しています。
だれもがリフレッシュして日常に戻っていけるような穏やかな海が広がっています。
その活気付けとなるような、フロンティア精神に溢れるクラフトビールを作っていきたいと思います。